明日香村

2009年10月29日 (木)

地元の旬野菜の元気をもらいながら、ほっこりとランチできる「ふるさとの食・奥明日香 さらら」

ふるさとの食・奥明日香 さららは、明日香村から吉野へ至る芋峠の手前、明日香村の奥座敷のような栢森大字(かやのもりだいじ)で、民家を改装して平成20年4月に開業したランチと喫茶のお店です。ある秋の日の午後、経営者の坂本博子さんを訪ね、開店から約一年半の手応えをうかがってみました。

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栢森へは、石舞台から案山子ロードで有名になった稲渕を通って飛鳥川上流域沿いの道を南下します。集落の入り口は栢森バス停があり道も開けているのですぐわかります。さららは集落入り口から100mくらい入った左手すぐ。でも絵を描く人ならずとも思わず足を止め、デジカメでスケッチしてしまうくらい、絵心を揺すぶるひなびた集落の景色に心が和みます。

さららの周りの畑を見ると収穫中の旬の野菜が植わっているし、塀越しに果物がたわわに生っていて、景観そのものが「ようこそ」と出迎えてくれているような不思議な気分です。メニューはもちろん、地元で採れる旬の野菜たちが主役の「さらら膳」がメイン。といってもかしこまって食べる会席のイメージでは全然なく、里帰りした田舎家で、のんびりお友達と食事タイムを楽しめる!そんな骨休めの時間が売りのお店といえるでしょうか。 

旬素材で飽きさせないさらら膳

交通の便が決してよいとはいえないお店にしては、たくさんのお客様を迎えます。先日行なわれたミニコミ紙主催のさらら塾(〝万葉の摘み菜講座〟とお食事の会)では30人の定員が3日で一杯になったのは驚きです。実施当日、さらら周辺の摘み菜ウオッチングもあって、初対面同士でも和気あいあいの雰囲気でした。

お目当てのランチメニューは今のところ「さらら膳」のみ。飽きないよう季節の食材により内容を入れ替え「ブログ・Diary(さらら日記)」で案内しています。外せない構成としては、古代米ご飯、手作りこんにゃくはぴり辛になったりサラダになったり、てんぷらはそのときどきの野菜たち。この他大根餅など珍しい料理等々十数種、来て食べてのお楽しみといったところ。

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意外に近かった日本のふるさと

「さらら膳」は、食材を大切にしたいという思いから当日朝までの予約制となっていますが、知らずに突然来られるお客様もたまにあるようです。それも遠路わざわざという方が多いので、席が空いていれば、完全なさらら膳をご用意する材料の余裕がない場合でも、ご飯と香の物、汁物程度はお出ししているとか。

そんな経緯の不意のお客様も、前述のさらら塾を機会に初めて訪れたお客様も、長閑な日本のふるさとって意外と近くにあるのね!と感じられたり、ふるさとの食ってこんなだったんだ!と、リピーターになり、周囲の方にも口コミしてくださったりの好循環があって、さららのお客樣の輪はじわりじわり広がっているようです。

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若い世代にも昔食のファンが

当初顧客層のメインは坂本さんと同世代の50歳代かなと想像していたそうです。ところがミニコミ紙をはじめ、「SAVVY」など若い世代向け雑誌や旅の情報誌にどんどん取り上げられたた結果、今では奥明日香の食と景観に魅せられた30歳代(子連れも多い)~40歳代の来店が多いお店になっているといいます。

ずっと以前、地元の人の多くは、こんな田舎のどこがいいの?都会から人を呼ぶなんて夢物語では?と思っていたことでしょう。でも今は違います。奥明日香には、季節の移ろいの美しさ、「旬」に恵まれたすばらしい食があることを再発見し、昔からある食文化の大切さを顧客とコミュニケーションできるスタッフたちに支えられているのが、さららの強味です。

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さららのルーツは地域の活性化を担う女性グループ

前身として「奥明日香に人を呼ぼう!」と平成14年に結成された女性グループ「さらら」の活動の積み重ねがありました。その活動は農山村に伝わるこんにゃくや漬物などの素朴な加工品作りの再興からでした。それが発展してそれぞれの家庭で姑から嫁へと受け継がれてきた伝統的な手料理の集約ともいえる「さらら膳」が生まれたのでした。

始めは、地元の神社の社務所で年数回「さらら膳」のお食事会を企画していました。これが好評を博したことから、次は田舎の自然や、食の豊かさに誇りをもって毎日発信していくために、借り物ではない自分たちの拠点をもつ夢が育まれました。そしてとうとう、坂本さんのリーダーシップと度胸で民家を買い取り、「ふるさとの食 奥明日香 さらら」の開業にこぎつけたのです。

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さらら姫も見た風景が今も

因みに「さらら」のネーミングは、このあたりが1300年以上昔、天武天皇の皇后鵜野讃良皇女(うののさららのひめみこ:後の持統天皇)が吉野へ足しげく通われた道沿いにあたることから「さらら姫」にあやかったものです。坂本さんはさらら姫が歩いたという伝承のある古道にも関心を持っていて、暇を見つけては同好のメンバーで歩いているといいます。

1300年以上前にも通じる長閑な日本の田舎の景観が今も色濃く残っている。谷川沿いや山道に一歩足を踏み入れると、自然からのプレゼントである食材もいっぱい。それを活かした昔からある田舎の食事を都会の人が喜んでくれる。そんな地域資源を大切に思う心を燃やし続ける女性集団の舵取り役坂本さんの、竹を割ったような性格そのものの話し振りが谷川の水のように爽やかに感じられました。

21_3 ふるさとの食「奥明日香 さらら」

奥明日香活性化グループがルーツの喫茶・お食事の店
料理:さらら膳2,000円(デザート付)
ドリンク:珈琲・紅茶400円
手作りジュース:くろまめ/うめ/しそなど400円
手作りケーキ:生姜シフォン/バナナシフォンなど
所在地:〒634-0124 奈良県高市郡明日香村栢森137
アクセス:詳細はホームページ参照 
TEL:0744-54-5005
営業時間:11:00~16:00
営業日:毎週 木・金・土・日。喫茶以外は要予約。予約は電話(留守番電話でも)で。
■夏季休業 8月1日~20日
■冬季休業 12月21日~1月20日

文・写真:弓手洋一郎・ひろみ   

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